南国鹿児島にも冬の到来。
こんな寒い日は源泉かけ流しの温泉に浸かって、身も心も暖まりたいということで、日当山温泉郷に行ってきました。
ここの温泉郷の起源は、神代の昔、天孫降臨のイザナギノミコト・イザナミノミコトが足の立たない蛭児尊(ヒルコノミコト)を奈気木(なげき)の杜に送って、温泉治療をさせたのが始まりという伝説があります。
鹿児島県内で最も古い温泉地といわれる日当山温泉郷は、明治維新の立役者、西郷隆盛や小松帯刀などがこよなく愛し、そして坂本龍馬やお龍さんが立ち寄り、寺田屋で負った傷を癒したと云われる温泉場です。
古くから薩摩の奥座敷として親しまれ、その後、隼人駅~八代駅間の肥薩線の発達に伴い温泉宿場町として発展しました。当時はたくさんの温泉宿が軒を連ねていたそうです。
現在は、天降川の清流の両岸に20数件の旅館、公衆浴場などがあります。中でも家族湯というスタイルは県内各地にある家族湯ブームの火付け役として、古くから地元の人々に親しまれてきたこの地域独自の文化です。
その、日当山温泉郷でも歴史ある温泉宿、「清姫温泉」。
1916年(大正5年)創業の由緒ある温泉宿です。大浴場と家族風呂があり、泉質はアルカリ性単純泉で神経痛、筋肉痛、疲労回復に効能があるそうです。建物や設備は昭和レトロな雰囲気を醸し出し、地元の人々に愛され続けています。
こちらの敷地には地元日当山温泉の起源である「湯元権現」の祠があります。ちなみにこの祠は霧島市の指定文化財になっています。
清姫温泉のご主人であり、日当山温泉旅館組合の米田知弘さんは日当山温泉郷をこよなく愛し、今年『日当山温泉郷湯けむりガイド』を出版した方です。日当山を中心に温泉旅館の紹介やお食事処はもちろんのこと、地域の歴史なども一冊にまとめられています。中でも米田さんは『日当山スタイル』という新たな観光を提言され、周辺に点在する釣り、ゴルフ、登山、景勝地またイベントや入浴をフリーに組合せるベースとしての日当山の利用を軸に、再び往時の賑わいを取り戻したい考えだそうです。
日当山温泉郷 清姫温泉
霧島市隼人町姫城3‐124
電話0995-42-0607
■交通アクセス ロイヤルシティ霧島妙見台より約5㎞(車で約8分)
上記の写真はすべて平成23年12月に撮影されたものです。