霧島山麓に位置する霧島市牧園町の「みやまコンセール」は本格的な音響のコンサートホールです。その野外音楽堂で行われる「霧島高原太鼓まつり」が8月28日開催されました。今年で26回目の太鼓まつりは霧島九面太鼓保存会が中心となり、毎年、全国よりゲストを招いて開催されます。
夕方5時半から開催される祭りは、日中の暑さとは裏腹に高原の風が優しく、心地よく吹きかけます。ステージを見下ろす形の野外音楽堂の芝生の席に、お弁当を広げる家族連れや、靴を脱ぎ足を投げ出してくつろいだ雰囲気。夕暮れと共にどんどん来場者は増え、主催者発表では6000名の入りだそうです。
明るい内は閑散としていた出店付近も、灯りがともるとともに賑わってきた様子。祭りは暗くなって本番だぞーとばかりに、ビールにかき氷やジュース片手に、これまた楽しむ人たち。張り詰める舞台の雰囲気とはまた違って、開放感のある野外ステージならではの客席もまたいいものです。
舞台に登場する太鼓の演奏グループは、和太鼓と笛という共通点はあるものの、其々に独自の個性と演奏形態を持っています。鹿児島県内のみならず、石川県、東京都、宮崎県など総勢9団体が馳せ参じてくれた太鼓で繋がる仲間たち。
それぞれに魅せる太鼓の演奏の中でもみんなが待ち望むのは、地元の霧島九面太鼓・和奏(わかな)の皆さん。一際大きな拍手で迎えられます。女性だけで構成されるメンバーは、見てくれる人たちに元気を与えたいと、真っ赤な衣装で現れます。
彼女達のスックとした立ち姿と、鍛え抜かれた腕や背筋には憧れる人は多いのではないでしょうか。自分の背丈ほどもある5尺の大太鼓に立ち向かい、ズドーンと打ち鳴らすと会場は静まり返り、振動で聴く者の全身も揺さぶられます。格別に張り詰めた緊張感と潔さを感じさせる彼女達の演奏が終わると、思わずため息が漏れました。渾身の力を込めて打ち下ろす、太鼓の響きに負けないくらいの拍手が場内からあふれます。
霧島の夜空に響き渡る太鼓や笛の音の中に身をおいて、ステージと客席が一体となり、何だか気持ちよく疲れてしまった夏の宵でした。
上記の写真はすべて平成23年8月に撮影されたものです。
■アクセス 霧島高千穂リゾートランドより約22㎞(車で約33分)
霧島国際音楽ホール(愛称:みやまコンセール)
鹿児島県霧島市牧園町高千穂3311-29