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祝い事のときには欠かせない南予の郷土料理「ふくめん」

  • 更新日:2010年06月12日
  • カテゴリ:暮らし方

ふくめん。
覆面?福麺?含めん?
 
この不思議な名前の料理、昔から南予地方で祝い事のあるときによく作られていました。
薄いピンク、黄色、緑、白に彩られ、こんもりお椀を伏せたような形に盛られる“ふくめん”・・・・・・
この正体、一体何だと思いますか?

 
(写真は平成21年5月撮影)

実は、薄く味付けした千切りこんにゃく(あるいは糸こんにゃく)の上に、エソなどの魚を使った紅白のそぼろ、ネギ、錦糸卵や刻んだみかんの皮、黒ごまなどを盛りつけたもの。
崩してみないと外見からこんにゃくを使っていることなど全く想像できません。
お味の方ももちろん…です。
 
基本の配色は3〜4色、具材はいろいろ組み合わされるようですが、そぼろとネギは定番でしょうか。
黄色は卵かみかんの皮(あるいは両方)を使いますが、ここはやはり南予らしくみかんの皮がいいですね。
初めは「みかんの皮?」と、ちょっと敬遠し気味でしたが、爽やかな香りが実によく合います。
全体をよくかき混ぜて食べると、風味豊かな味わいに思わず箸が止まらなくなってしまいました。
 
南予地方の郷土料理といえば、鯛の刺身を載せたごはんに特製のたれをかけて食べる“鯛めし”が有名で、美味しい上に見た目も豪華でインパクトがありますが、この「ふくめん」もなかなか滋味のあるものです。
こんにゃくを覆っているから「覆面」とも、伊達氏仙台藩の方言で千切りのことを「ふくめ」と言った、江戸時代には魚のそぼろのことを「ふくめ」と呼んだ、とも名前の由来には諸説ありますが、いずれにしても今でも南予地方で愛され続けている一品です。
 
 
 

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