≪ご主人の村上幸一さんと奥様の小百合さん ≫
「遠いところからお漬物を買いに来てくださるお客様に、ゆっくり休憩していただける場所を作りたかったんです」と話すのは、村上小百合さん。お父様は、昭和37年創業の阿蘇高菜漬けの老舗・志賀食品社長の昭男さんです。これまで工場に隣接した店舗でお客様をお迎えしていたそうですが、今年7月に店舗を移転。新たにカフェスペースを設けた店舗を『産庵』と名付け、開店させました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~cafe 産庵~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『産庵』では、自社工場で製造する阿蘇高菜漬けをはじめ、常時30種類の漬物がそろいます。原料となる野菜は、地元阿蘇市を中心に益城町など契約農家100名の手によって作られています。春先に収穫された高菜を使った「新漬」が出回る3月下旬から4月にかけては、全国各地から注文が寄せられるそうです。
カフェスペースのテーブル席からは高岳を、カウンター席からは往生岳を眺めることができます。
カフェスペースでは、女将さん手作りのおにぎりとのっぺ汁を楽しむことができます。おにぎりに使われている米は、店舗のある産の平(うぶのひら)産。阿蘇市一の宮町坂梨の水源地であり、阿蘇地区の中でもおいしいお米がとれる地域だそう。湧水で洗って炊き、天草の釜炊き塩で握ったものです。また、のっぺ汁は、村上さんのお義母様から受け継いだ味。しいたけ味のさっぱりとしただしの中に根菜類と鶏肉がたっぷり。一口ごとに根菜の味が体に染み込み、体の芯からポカポカと温まってきます。14種類もの漬物の味見が付いているので、おにぎりとともに味わいながら好みの漬物をご自宅用やお土産用に選ぶのもおすすめです。
新米の季節。炊きたてのごはんの横には阿蘇産の漬物を添えて。お米のおいしさとともに、阿蘇の野菜のおいしさも再確認できそうです。