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スタッフからの現地便り

しまなみ海道の楽しみ方、プチタイムトラベルの島・小島(おしま)

  • 更新日:2009年08月05日
  • カテゴリ:周辺情報

佐田岬半島には、豊予砲台跡があることをご存知でしょうか?

陸路では簡単には行けない場所にあり、船でのアプローチでなければ見えない場所にあるので、あまり知られていないようですが、貴重な歴史的遺産の一つです。
戦争の是非という視点では否定されるべき存在ですが、当時の歴史を知る上では貴重な史跡であることに間違いありません。


 

同じく瀬戸内海にも、砲台跡のある場所として今治市の「小島(おしま)」があります。日露戦争前につくられた「芸予要塞」の一つとして、大陸から東京・大阪に続く近道にあたる、瀬戸内海の要所を守るための砲台跡施設が良好な状態で残っているそうです。

今秋放送のNHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」も、日露戦争当時の時代設定となっており、当時の様子がわかる貴重な歴史的史跡見学ということで、佐田岬にも同じく砲台跡があることもあり、興味を持って訪ねてきました。
 
造船所がひしめく今治市の波止浜港から、船で(車は載りません。人のみの旅客船です)約5分、あっという間の船旅です。お客さんも少なくて、まるで海上タクシー状態。


日露戦争前といえば、約100年前の建物。基礎石や崩れた壁などが、今も残っているんだろうなぁ、などと想像しながら小島に渡りました。
 
小島は、一周しても徒歩で2時間くらいの大きさ。名前の通り小さな島です。
そして、車の通れる幅の道がない!
車世界になじんだ現代人には、なんとも大変な島です。
 


















島全体が一つの要塞で、地の利を生かして南部・中部・北部の3ヶ所に、それぞれ軽砲から榴弾砲という28cm砲を備えていたそうです。
砲座のあともしっかり残り、丈夫なレンガの外壁もきちんと形を保っていて。
兵舎内には2段ベッドの留め金跡さえ、はっきりと判ります。
施設を繋ぐ歩道も整備されていて、楽に歩けます。
 

戦争には実際に使われなかったこの要塞。戦争のために作られた施設であるものの、今となっては、当時の建築物、建築技術を知るための貴重な遺産だと思います。

石組みやレンガ造りの美しさは、一種独特なものがあり、今の時代の組み方とは全く違っているので、一目で違いが判ります。ほかにも島内のいろんな場所で、古い石組みを発見できました。実際に戦争で使われることがなくてよかったなぁ、となぜかほっとしながら、島を後にしました。
 

小島には現在、10人ほどの人が暮らしているとのこと。
釣りのメッカでもあり、たくさんの釣り人が訪れるそうです。

島はホントにのどかで、時間の流れ方がどこか違って感じました。
 

ちょっと今の季節は暑かったのですが、春から初夏、そして秋に訪れて、もう一度ゆっくり散策してみたいと思っています。
なんといっても、船に5分乗るだけで、プチタイムトラベルができるのですから。
 
(写真はすべて平成21年7月撮影)


 

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