【あそ通信】
特集 門前町商店街①
心地よい水音が響く
活気あふれる商店街
阿蘇五岳の伏流水が湧出している〝水基〟。生活用水や飲用として地域の人々が利用してきた水汲み場です。この湧水を多くの人に飲んでもらいたいと、20年ほど前から地元の住民たちが木や石で趣向を凝らして水基を整えてきました。その水を汲みに訪れる人は年々増えています。
早朝の門前町商店街。各店が開店する10~11時頃には観光客で賑わい始めます
まずは阿蘇神社に参拝を。昨年の熊本地震で楼門と拝殿が倒壊するなどの大きな被害を受けましたが、境内の「神の泉」と名付けられた手水舎は枯れることなくこんこんと湧き続けています。不老長寿のご利益があるといわれるその水に触れてみると、きりりとした冷たさに身も心も引き締まったような気がしました。
倒壊した拝殿の奥にある国指定重要文化財の3つの拝殿。工事期間中のみ見ることができます
倒壊前の楼門。高さが約20mあり、荘厳な雰囲気が漂う歴史的建造物でした。阿蘇神社は平成34年度までの再建を目標にしています(2016年4月撮影)
神の泉は、復旧工事のため解体中の楼門の向かいにあります
水基は、阿蘇神社鳥居から南北に延びる横参道と、その周辺に36カ所が点在しています。銀行前に湧くのは「金脈の泉」、宮地小学校の通学路は「学業の泉」と、ユーモアあふれる名付けがされており、味もそれぞれ異なります。
参道沿いに形成されている門前町商店街は、全長200mほど。古い建物が残る通りを歩くと、あちこちから響く心地よい水音…。のんびり散策するのにちょうどよい規模で、週末や大型連休中には、古い建物が残る町並みを背景に記念撮影をしたり、水基の湧水を飲み比べて歩く〝水基巡り〟をしたり、観光を楽しむ人々の姿が見られます。
(データ)阿蘇神社/2016年4月撮影、2017年8月撮影
熊本県阿蘇市一の宮町宮地3083-1
☎0967-22-0064
アクセス
ロイヤルシティ阿蘇一の宮リゾートから約3・6㎞、車で約7分