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温泉付!宮城蔵王の山々のふもとで暮らす。別荘、定住どちらにも適しています。
その86「 続いて亘理へ 」
みなさま、こんにちは。 梅雨も開け、予定通り(?)の暑い夏を迎えています。様々な苦難を乗り越えて、東京オリンピックも始まりました。始まってもなお、賛否両論の意見が巷を賑わしているようです。私個人としては、コロナの感染対策についてできることは全て講じた上で、応援を贈りたいと思っていますし、同時に日本で行われるオリンピックを心の底から楽しみたいとも思っています。
前回は、10年目の被災地閖上についてのお話でした。 確たる理由があったわけではありませんが、別の日に閖上の隣町の、同じ被災地である亘理町を訪れてみました。ここは、JR常磐線の亘理駅です。なぜお城?とお思いのことでしょう。面白い駅舎です。東北の駅百選にも選ばれているそうです。亘理の地は、伊達政宗公の重臣にして親戚筋にあたる、伊達成実が亘理伊達家の初代当主として治めた町なのです。成実は、毛虫の前立で知られる勇猛果敢な武将であり、かつ豊かな領地を作り上げるという手腕を発揮しました。領民から慕われるおらが殿様であったらしく、成実を祀る神社も町内にあるそうです。お殿様を誇りに思う気持ちが、お城の駅舎に現れているのでしょうね。
太平洋に面した亘理町は他の沿岸の地域と同様に、津波による大きな被害を受けました。震災前はたくさんの漁船が係留されていた荒浜漁港に行ってみました。仙台市にも荒浜という地名がありますが、ここ亘理の港も荒浜です。港は、「荒浜漁港公園」となっていました。漁船が係留されていた面影はありません。平日のこともあり人影もほとんどなく、静かな空間でした。散策路がけっこう長さがあるので、休日はジョギングなどを楽しむ人も多いのではと思われます。
亘理町と、山元町・角田市との境に位置する標高274mの山、「四方山(しほうざん)」から眺めた太平洋遠景です。地元以外ではあまり知られていない山です。息子がバイクのツーリングで訪れた際に、眺めが良かったと言っていたことを思い出し、近くまで来ていたこともあり訪れてみました。四方の眺望がひらけていることからその名がついたというのも納得です。標高はけして高くはありませんが、周りに高い山がないこともあり、素晴らしい眺めです。
標高が低いとはいえてっぺんまで行けば、360度のパノラマ展望ですから、もちろん蔵王も思いの外近くに見えます。亘理も蔵王も仙台から見て福島寄りの南に位置していますが、お互いの距離はさほど遠くないのです。この日は山に雲がかかって、夏の蔵王全景が見られないのは残念でした。
四方山の山道で、興味を惹かれる光景を目にしました。苔の壁です。蔵王では苔の道を歩くのを楽しみにしている私ですので、苔を見つけると、つい反応してしまいます。石垣ならもっと見事に見えるのでしょうが、残念ながら苔が密生している土台となるのはブロックでした。それでも、こんな広範囲の苔は見たことがありません。ムラなく生えた綺麗な緑色の苔がびっしり、縦3メートル横10メートル以上はあるでしょうか。たくさんの人にも見せてあげたいと思わずにはいられないほどの、見事な苔の壁でした。
ここ四方山は蔵王が眺望できるというだけでなく、思いがけず蔵王との別のご縁のある山でした。なんと「宮城蔵王36景」5番目地点だったのです。見慣れた標札を見つけたときは、目がテンになりました。あら、こんなところに、というわけです。改めて「宮城蔵王36景」を調べてみると、蔵王町以外の36景地点は、仙南地域の市や町に広く点在しています。以前に、仙台から南に位置する地域を仙南と呼んでいると話題にしたことがありますが、仙南に位置する町にとって、蔵王は毎日当たり前にそこにあって春夏秋冬をともに過ごす、ふるさとの象徴と言える山なんだなと、久しぶりに四方山を訪れてみて改めて強く感じました。 ※亘理町:当リゾートより約34km 写真は令和3年7月撮影
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