カラフルな演出が楽しい「自立」を叶える平屋

16歳の時に交通事故で四肢麻痺となり、車椅子生活を余儀なくされたKさま。将来、ご両親の手を借りなくても自立して暮らせるよう、細部まで使い勝手に配慮したバリアフリーの平屋を建てられました。Kさまは口に筆を加えて絵を描くイラストレーターで、そのアートセンスを生かしたカラフルな色使いも見どころ。「家の中を自由に移動し、スイッチ類も自分で操作できて快適です。お気に入りの色に囲まれた暮らしを楽しんでいます」とお喜びのKさまです。

アートセンスを生かしたインパクトのある色使いで楽しい雰囲気のLDKに

白のフローリングに、ターコイズブルーのアイランドキッチンと黄色のアクセント壁が鮮やかなコントラストを描くLDK。Kさまのアートセンスを生かし、ビビッドな色使いでインパクトのある独創的で楽しい住空間を演出しています。
操作パネルやスイッチは手の可動域に合わせて使いやすい高さに設置

アイランドキッチンは車椅子でぐるりと回れて便利です。操作パネルやスイッチの場所、位置にも配慮し、手の可動域に合わせてKさまが最も使いやすい床から80cmの高さに設置。「照明のオンオフやインターホンでの応対も自分でできるようになりました」とＫさま。
アプローチに昇降機を設置
玄関の床段差をなくして車椅子で外出しやすい住まいに

道路との高低差があるお住まいでも外出しやすいよう、アプローチ階段の横に車椅子用の昇降機を設置。昇降機から玄関ポーチまで大きな屋根をかけ、雨の日も濡れずに出入りできるようにしています。玄関ホールはタイル土間との段差を解消し、扉は車椅子で通れる幅広の引き戸に。
収納棚とロングカウンターを造り付けた趣味スペースで絵を描き、読書を楽しめる

口に筆をくわえて水彩絵を描いているKさまのアトリエを兼ねた趣味スペース。壁面に収納棚とロングカウンターを造り付け、棚に画材や書籍を収納しています。「思い立ったらすぐに絵に没頭できますし、読みかけの本を何冊も開いておけるのも便利です」とKさま。
車椅子でラクに使えるようトイレも浴室も開口を広くし洗面スペースは廊下と一体に

開口部を広く取ったバリアフリーのトイレはピンクで愛らしい雰囲気に。一方、浴室の壁は爽やかなグリーンで演出。洗面スペースは廊下と一体にしてオープンにつくり、車椅子で方向転換できる広さを確保しました。洗面化粧台はカウンター下が空いていて、車椅子がすっぽり入りやすい形状になっています。
洗面スペースの収納に入浴用の車椅子を収納し、浴室には介護リフトも設置

洗面化粧台の後ろ側に設けた収納スペースに入浴用の車椅子や介護用品を収納。収納スペース内部には、衣類などが洗える深いシンクも設置しました。Kさまは寝室で車椅子からシャワーチェアに乗り換えて浴室へ。入浴介助がしやすいよう、浴室と寝室の天井には介護リフトを取り付けています。
外観

LDK
アイランドキッチン
アプローチ/玄関ホール
趣味スペース
トイレ/浴室/洗面スペース
洗面スペース/収納
外観

SPEC

所在地：奈良県
家族構成：両親＋娘
商品名：xevoE

敷地面積：271.19m²（82.03坪）
延床面積：100.29m²（30.33坪）　1階：100.29m²
竣工年月：2015年9月

ダイワハウスに決めた理由

これまで住んでいた実家もダイワハウスで信頼がありましたし、地震に強いことも安心でした。また、スタッフの方は福祉機器についても勉強し、身体障がい者の不便や悩みをきちんと理解されていましたので、「将来は自立して暮らせるようになりたい」という私の想いに寄り添ってもらえると思いました。

家づくりを振り返って

自立をめざす私の応援団となり、細部まで配慮してくださいました

スタッフのみなさんが私の応援団となり、父と綿密に打ち合わせて細部まで妥協せずにバリアフリーのプランを練り上げてくださいました。床段差がなく、引き戸の開口幅も広いので、家の中を人の手を借りずに自由に動き回れますし、スイッチや操作パネル類も私の手の可動域に合わせて設置してもらえたので自分で操作できます。何より好きな色を組み合わせて、カラフルなインテリアにできたことに大満足。毎日の暮らしが楽しくなる住まいになりました。

担当者のメッセージ

お父さまと二人三脚でKさまが自立できるバリアフリー住宅を実現しました

Kさまの障がいの状態を熟知されているお父さまからアドバイスやアイデアをいただきつつ、過去に手がけたバリアフリー住宅で学んだ経験も生かし、Kさまにとってベストの住まいが実現できるように工夫しました。イラストレーターでもあるＫさまのセンスは素晴らしく、住空間のカラーコーディネートではマジックを見せていただいた思いです。自立への道を歩まれるお手伝いができたことをうれしく思います。

地面を掘り下げて土地の高低差を縮め、昇降機で上がれる高さにしました

高台の土地で道路との高低差が2m40cmあったため、地面を掘り下げて1m40cmの高低差に縮め、車椅子で不安なく昇降機に乗って上がれる高さにしました。また、玄関土間と玄関ホールの段差を解消。廊下を取り込んで水回り空間を有効利用することで行き来がしやすい動線を実現しています。扉は全て幅の広い引き戸を採用し、キッチンは車椅子で回れるよう、アイランドタイプにしました。このお住まいでKさまには、さらに素晴らしい作品を創り出していただきたいと願っています。

北欧デザインのイメージでこだわりの壁紙カラーをご一緒にセレクトしました

ご自宅で過ごされることが多いイラストレーターのＫさまは、インテリアにこだわりをお持ちでした。「北欧デザイン」のイメージで、ご一緒に一枚一枚カタログのページをめくり、コレクションのフィンレイソンの小物に合わせたカラフルな壁紙をお選びいただきました。また、ライフワークのイラスト制作にご集中できるよう、アトリエの家具はＫさまに合わせて造作し、照明器具の配灯も打合せを重ねて決定しました。Ｋさまの状況に寄り添い、生活スタイルに合わせてご提案できたことを今後の経験につなげていきたいと思います。

スイッチ類の場所や高さを細かく確認し、引き戸もひとつひとつ調整しました

スイッチや操作パネルの位置は自立の大切な要素となります。そこでＫさまにとってどこにどんなスイッチがあると便利なのか、本当に使いやすい高さになっているかなどを細かく確認していただきながら施工しました。また、引き戸はＫさまの力で開閉がしやすいよう、ちょうどいい軽さにひとつひとつ調整しています。今回の経験を今後に生かしていきたいと思います。