暮らしやすい住まいのヒントを有識者と共に追いかける企画「私の理想のおうち」。
今回は料理家の寺井幸也さんを東京・新宿区の展示場「【3階建skye】HS新宿展⽰場」にお招きして理想の住まいや料理をしたくなるキッチンなどのお話を伺います。
日頃からキッチンに立つ機会の多い寺井さんに、展示場のキッチンをご覧いただき使い勝手や心地よさを教えていただきました。また、今回の展示場の雰囲気に合わせてオリジナルのテーブルコーディネートなども組んでくださいました。
寺井幸也さん
2015年よりケータリング『幸也飯』をスタート。日本の旬を軸にした『家庭料理』を展開し、華やかなメニューがSNSで話題を集め2017年にレシピ本を出版。空間演出を得意とし、企業イベントや展示会などのフードスタイリングを手がける。 中目黒にアトリエ兼店舗を構え、2021年に渋谷東急フードショー店をオープン。その他レシピ開発やメニュー監修、ブランドコンサルティング等幅広く活動中。
── 初めて展示場にお越しいただきましたが、この展示場のキッチンはいかがですか?
すごく使い勝手がよく過ごしやすいなあと感じます。たとえば、キッチンとダイニングが一列につながった間取りなので、作った料理をそのままダイニングに運べますし。僕が今暮らしている住まいでは、壁に向かってキッチンが設えてあるので、この展示場の動線がすごく便利だなあと思いました。
また、キッチンの背面部にたっぷりと収納があるのも印象的です。収納が住まいのところどころにあるのではなく、同じ場所にしっかりとあるのが料理好きの僕としては嬉しいところ。カトラリーとプレートは吊り戸棚、ボウルとグラスは下段の引出しなど、収納位置を決めて食器類をまとめて整理できるのって良いですよね。
── 寺井さんはキッチンで過ごす時間も多いことと思いますが、ご自宅のキッチンスペースを快適にするためにこだわっていることはありますか?
部屋そのものの収納力や機能に依存しないこと、でしょうか。僕はゼロから自分の暮らしやすい空間を考えて城に育てていく過程がとても好きなんです。だから住まいそのものの設えに頼りすぎず、家具や小物を配置して使いやすくするといった工夫をしていますね。
実際、僕が暮らしている今の住まいにはほとんど収納がないんです。一見すると不便ですが、その無機質さがむしろ好き。まっさらなキャンバスの上に理想を描くような気持ちで、コツコツと家具なんかを並べていますよ。
── ありがとうございます。今回は当展示場の雰囲気に合わせて2種類のテーブルコーディネートをご準備いただきましたね。
きれいな設えの空間だったので、それに合わせた王道コーディネートと少しクリエイティブな楽しみ方のできるコーディネートをご用意しました。
最初のコーディネートではゴージャスな雰囲気になるよう和のテイストのお料理に、大ぶりな白いお花を合わせました。おうちで料理を作ることも増えている今なので、日常から少し背伸びしたようなテーブルコーディネートを意識しています。
もう一つのコーディネートは、普段のテーブルとは少し違った雰囲気を楽しんでもらえるようにと考案しました。作家さんの一点ものの器に盛り付けを施し、季節感を表現できるお花・トケイソウをメインに合わせています。同じ料理でのコーディネートですが、器やお花の選び方一つで随分と異なる雰囲気を味わえますよね。
お品書き
異国風スペアリブ
ヤンニョムをベースにクミンやコリアンダーなど数種類のハーブ、塩麹につけた香り高いスペアリブです。甘辛いくせになる味付けはチキンやラム肉にも合いますよ。
<材料>2人前
・骨つき豚バラ肉(スペアリブ用) 4本
【A】 すりおろしにんにく:10g、すりおろし生姜:10g、ヤンニョム:大さじ1、塩麹:大さじ1、蜂蜜:小さじ2、ごま油:小さじ2、コリアンダー:2g、クミン:2g、ガラムマサラ:1g
<工程>
①骨つき豚バラ肉をボウルに入れ、Aの調味料を加えよく揉み込んだら冷蔵庫で半日ほど寝かせる
②漬けダレをキッチンペーパーなどである程度落とし、220度に余熱したオーブンで10分焼いたら完成
鯛のカルパッチョ
カルパッチョソースに煎り酒とブラックペッパー、オリーブオイルを使った出汁香る一品。煎り酒の梅の香りと甘酸っぱいフルーツトマトほろ苦いスプラウトと鯛の相性が抜群です。
<材料>2人前
・刺身用鯛 120g
・ベビースプラウト 30g
・フルーツトマト 1個
【A】オリーブオイル:30ml、玄米酢:15ml、煎り酒:10ml、出汁醤油:5ml、ブラックペッパー:適量
<工程>
①鯛は薄切りにし、トマトは小さめの乱切りにしてお皿にまばらに並べる
②しっかり混ぜたAの調味液をかけ、ベビースプラウト(アマランサスやブロッコリースプラウト、かいわれなどでも良い)を散らしたら完成
季節野菜の温野菜
大ぶりに切った野菜を蒸籠でじっくり蒸してお塩だけふった、素材の味を楽しむ一品。野菜は季節のものならなんでも大丈夫。冬は根菜がオススメです。
<材料>2人前
・カボチャ 100g
・ブロッコリー 100g
・ジャガイモ 100g
・カブ 100g
・粗塩 お好み量
<工程>
①野菜はよく洗う。カボチャは皮付きのまま1センチ幅にカット、カブは皮を剥き、ジャガイモは皮のまま1口サイズにカット、ブロッコリーは茎をおとし、食べやすい大きさに切る
②①の野菜を蒸籠に入れて弱火で15分蒸したら粗塩をふりかけて完成
アボカドとタコのマリネ
アボカドとタコをレモン果汁と出汁醤油で作った柔らかいマリネ液に漬け込み紫キャベツと合わせた彩りも鮮やかなマリネ。
<材料>2人前
・アボカド 1個
・ゆでたこ 200g
・紫キャベツ 8分の1
・玉葱 6分の1
【A】出汁醤油:40ml、レモン果汁:30ml、オリーブオイル:小さじ1、ハーブソルト:1つまみ
<工程>
①アボカドは皮をむいて2センチ角にカット、タコは1センチ幅にスライス、紫キャベツは千切りにする
②玉葱は皮をむいてすりおろし、Aの調味料と合わせる
③①のタコとアボカドに②の調味液をあわせて軽く揉み込み30分ほどおいたら①紫キャベツと混ぜ合わせて完成
── 日頃から暮らしの様子も発信されている寺井さん。寺井さんの思う「理想のおうち」を教えてください。
僕にとっての理想のおうちは「自分だけではなく、来てくれた人も居心地が良いと感じてくれる空間」です。僕は一人暮らしですが、プライベートで友人を招くこともすごく多いんです。
友人と一緒に同じ食卓を囲むのがとても好き。だから、遊びに来てくれる友人もずっと滞在したくなるような、どこかホッとできるような空間を作りたいと思っています。そのために、あえて整理整頓しすぎず生活感を醸し出せるような空間作りを意識しています。
また、2匹の猫とも一緒に暮らしているので、彼らの居心地も考えていますね。友人や猫たちなど、他者と過ごす時間を意識しながらインテリアや小物を選んで並べることそのものが、僕の楽しみであり住まいづくりの醍醐味なのだと思っています。
今後もまだまだ続く予定ですので次回の更新もお待ちください。
【3階建skye】HS新宿展⽰場 DATA
- 住所:東京都新宿区百人町2丁目2-32
- 電話番号:03-6457-3572
- 営業時間:10:00~18:00
- 定休日:火・水・予約制